地域おこし協力隊地域通貨広尾町

地域通貨「サプリ」を運用してみてわかったこと

広尾町で地域通貨「サプリ」を運用している。お金の流れを変えるとは、どういうことか。現場からのリポート。

「地域通貨って、意味あるんですか?」

正直に言うと、始める前の自分も、少し懐疑的だった。

円があるのに、なぜ別の通貨を作るのか。使える場所が限られているものを、誰が使うのか。頭の中に、そんな疑問が並んでいた。

でも実際に運用してみると——考えが変わった。


「サプリ」って何?

広尾町で流通している地域通貨の名前です。

町内の参加店舗でのみ使える、いわゆるローカルな「お金」。1サプリ=1円の設計で、ポイントカードの進化版みたいなイメージを持つ人もいるけど、本質はそこじゃない。

お金が町の外に出ていくのを、少し遅らせる仕組み——これが地域通貨の本質だと思ってます。


地方のお金は、外に出ていく

これ、知ってましたか。

地方の人がAmazonで買い物をすると、お金は東京に行く。大手チェーンで食事をすれば、利益は本社に行く。インフラ費用はどこかの大企業に払う。

気がつくと、地域内で稼いだお金のほとんどが、町の外に流れていく。

「経済が縮む」とよく言うけど、正確には「お金が外に出る速度が、入ってくる速度を上回っている」状態に近い。

地域通貨は、その速度を少し変える試みです。


実際に運用してみてわかったこと

一番大事なのは、加盟店との関係性だった。

システムの話をする前に、顔を合わせて話す。何のためにやるのかを一緒に考える。そのプロセスがないと、ツールとして機能しない。

地域通貨はテクノロジーの問題じゃなくて、コミュニティの問題なんだと気づいたのは、運用を始めてしばらく経ってからでした。


数字より、変化の方が面白い

利用数やユーザー数を追うことも大事です。でも、現場にいると別の変化が見えてくる。

常連客が「サプリ使えますか?」と聞くようになった。それだけで、その店に行く理由が一つ増える。

小さなことだけど、習慣が変わると、お金の流れも変わる。その実感が、この仕事を続ける理由になっています。


まだ途中の話

正直、まだ全然うまくいっていない部分もある。

使える場所が少ない、知らない人が多い、デジタル化が追いついていない——課題は山積みです。

でもそれが面白い。解決する余地があるということだから。

次の記事では、AIチャットボットを「広尾しごと」に導入した話を書こうと思っています。テクノロジーと地域の話、続きはそこで。

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