ゲストハウスのチェックインシステムを自作した話
既製品を使えば月額数千円。だったら自分で作ればいい。バイブコーディングで作ったセルフチェックインシステムが、保健所の許可も得て実際に動いている話。
既製品のチェックインシステムを使えば、月額数千円かかる。
毎月払い続けるか、自分で作るか。答えは最初から決まってた。
ゲストハウスを始めるとき、気づいたこと
日靜を開業するにあたって、チェックインをどうするかが最初の壁でした。
一棟貸しのゲストハウスなので、24時間フロントに人を置くことはできません。夜遅く到着するゲストへの対応も考えると、「セルフチェックイン」の仕組みが必要でした。
世の中には便利な予約・チェックインシステムがあります。でも使えば使うほど、維持費がかかり続ける。利益を圧迫していく。
「これ、自分で作れるんじゃないか」
そう思ったのが始まりでした。
バイブコーディングで作った
正直に言うと、全部ひとりで書いたわけではありません。
Claude を使いながら、対話的に開発しました。いわゆる「バイブコーディング」というやつです。自分がやりたいことをAIに伝え、コードを生成してもらいながら、確認して、修正して、また進める。
その繰り返しで、気がついたらちゃんと動くシステムができていました。
技術的なバックグラウンドはあります。でも、これだけの規模のシステムをひとりで1から書こうとしたら、相当な時間がかかっていたと思います。AIとの協働で、そのスピードが劇的に変わった。それが実感です。
ソースコードは GitHub に公開しています。
システムの仕組み
チェックインの流れを、簡単に説明します。
①予約時: 管理者がダッシュボードで予約を作成します。するとシステムが自動で「シークレットコード」を発行します。9XB-D58-ALF のような形式です。
②事前登録: ゲストに専用URLを送ります。そこで氏名・住所・連絡先などを入力し、チェックイン用のパスワードを自分で設定します。外国人のゲストはパスポートの写真もアップロード。
③当日: チェックイン画面でシークレットコードとパスワードを入力。認証が通ったら、ビデオ通話画面に進みます。
④本人確認: Whereby というビデオ通話ツールで、管理者と顔を合わせます。パスポートや顔を確認したら、管理者が「本人確認完了」ボタンをクリック。するとゲストの画面にドアの解錠PINが表示されます。
⑤入室: PINでドアを開けて、入室完了。
保健所の許可も取った
旅館業法では、宿泊者名簿の管理が義務付けられています。
デジタルでの本人確認・宿泊者情報の管理が法的に問題ないか、保健所に確認しました。
結果、許可をいただいた上で運用しています。「ビデオ通話による本人確認」という方式が、対面チェックインに相当するものとして認められました。
自分で作ったシステムが、ちゃんと法的にもOKな形で動いている。これは正直、一番ホッとした瞬間でした。
技術的な話をすると
使っている技術スタックはこんな感じです。
| 役割 | 技術 |
|---|---|
| フレームワーク | Next.js 16(App Router) |
| DB・ストレージ | Supabase(PostgreSQL) |
| 認証 | HMAC-SHA256署名付きセッション |
| ビデオ通話 | Whereby Meetings API |
| チェックイン通知 | Gmail + LINE Messaging API |
| カレンダー連携 | Google Calendar API |
| デプロイ | Vercel |
パスワードはbcryptでハッシュ化して保存。管理者ログインにはレート制限もかけています。セキュリティ面もちゃんと考えた設計にしています。
個人的に一番気に入っているのは、ゲストがチェックインを開始した瞬間に管理者へGmail + LINEで同時通知が届く仕組みです。遠くにいても、ゲストが到着したことがすぐにわかる。
多言語対応もしている
日本語だけじゃなく、英語・中国語・韓国語にも対応しています。
外国人ゲストが増えることを見越して、最初から入れておきました。
維持費、ほぼゼロ
気になるコストの話をすると。
VercelとSupabaseは無料プランで動いています。Wherebyのビデオ通話もスモールプランで運用中。全部合わせても、既製品のシステムより圧倒的に安い。
毎月節約できる分が、そのままゲストハウスの運営に回せます。
自作することの意味
システムを自分で作ると、何が起きても「直せる」という安心感があります。
バグが出たら自分で直せる。機能を追加したくなったら自分で追加できる。ベンダーの都合でサービスが終了するリスクもない。
地方でゲストハウスを経営しながらAI開発も続けている——この一見バラバラな二つが、実はここで繋がっています。
作る力があれば、維持費をかけずに自分の仕組みを持てる。それは、地域で長く続けていくための、ひとつの武器だと思っています。
泊まりに来てくださった方は、このシステムでチェックインすることになります。
ぜひ一度、体験しに来てください。